沖縄本島中央部に位置する金武町には名水が湧き出る大川(ウッカガー)があり、長命の泉として知られている。金武酒造では、その湧き水を使用した泡盛造りが脈々と受け継がれている。今回、泡盛について教えてくれたのは、幼い頃から泡盛造りを見てきた奥間尚利さん。祖父から祖母へ、祖母から父へと受け継がれてきた伝統の味を未来の4代目として受け継ぐという。
金武酒造で製造された泡盛は町内の鍾乳洞で貯蔵できる。沖縄戦で多くの命を救ったという鍾乳洞が泡盛を熟成させる貯蔵庫として文化継承の役割を果たしている。文化に溢れる一方で、町面積の6割を占める米軍基地や演習施設から派生する事件事故に頭を抱えている現状もある。
戦後77年、沖縄が日本へ復帰して50年経った今でも基地問題と向き合わなければならない苦悩を元金武町長の吉田勝廣さんが話してくれた。