福島県の甲状腺検査の解析をめぐり、７月に取りまとめ予定の報告書で利用している甲状腺被曝線量が、国連科学委員会（UNSCEAR2020/2021）報告書のデータではなく、鈴木元氏が主著者の環境省の委託研究の結果を利用していることが分かった。福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会（以下、「明らかにする会」という）が解析の中間データの公表を求める中で判明した。
今回、明らかになったのは、甲状腺検査評価部会で７月の取りまとめて検討をしている甲状腺検査のコホート内症例対照研究などで使っている甲状腺等価線量の根拠データ。 部会で配布されている資料によれば、使っている甲状腺等価線量について、内部被ばく線量と外部被ばく線量の合算値（mSv；甲状腺等価線量）であると説明しているが、内部被ばく線量が、2011 年3月12日から3月25日までの詳細版行動調査票に基づき、原発事故後14日間の水道水と吸入被ばくをもとに甲状腺等価線量として算出したと記載されているだけで、どのようなシミュレーションを根拠としているのか詳細は不明だった。
使用している被曝線量データの評価する部会長の論文を根拠としていていたことや、選定方法について研究倫理の専門家に話を聞いた。
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