【学術会議会員の任命拒否理由の開示を求める弁護団】
●学術会議任命拒否文書開示訴訟とは・・・
2020年10月 、内閣総理大臣は、日本学術会議が会員に推薦した学者105名のうち6名の任命を、理由も明らかにせず拒否しました。政府からの「独立」が法に明記されている学術会議の歴史上、初めてのことでした。1162名の法律家と任命拒否された6名 は、政府に対し、任命拒否の理由がわかる文書の情報公開請求をしましたが、政府は文書の「不存在」を理由に「不開示」決定をしました。そこで、違法な不開示決定の取消と国家賠償を求めて、国を被告とする訴訟を起こしました。
●次回期日(第7回)で行われること
原告準備書面(7)では、内閣府大臣官房などによる一部不開示決定が違法であることを主張しています。本年6月6日に出された行政文書開示請求に関する最高裁判決にも触れています。②原告準備書面(8)では、文書の不存在を理由とする処分について、具体的な理由が提示されていないことの違法性を主張し、また学術会議「特殊法人化」法成立時の附帯決議で「説明責任」を果たせとされた点に触れています。 裁判長に対して民事訴訟上付与されている「釈明権」を行使して、被告の不適切な訴訟追行態度を正すよう求めます。④加えて、早川和宏教授作成の行政文書の作成・公開に関する「意見書」も紹介します。
●学術会議「特殊法人化」法は成立するも、今後の取り組みが重要
学術会議「特殊法人化」法案が、6月11日 、多くの市民や研究者から懸念や反対の声が上がったにもかかわらず強行採決によつて成立してしまいました。これにより、学術会議は国の機関から外され、首相任命の「監事」や内閣府に置く「評価委員会」、外部者による会員候補者の「選定助言委員会」などを通じた政府による介入を受ける危険性が高まりました。弁護団は、この間、法人化反対署名を呼びかけた他の団体とともに、.署名集めや院内集会の開催に協力し、声明を発表してきました来年10月 に新しい「学術会議」の運営が開始されます。学術会議を「無力化」させないために、今後の内閣府による内規づくりや委員の任命などを監視していくとともに、将来、この法律を廃棄できるよう粘り強い取り組みを続けていく必要があります.