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20240308 UPLAN 東京外環道 鹿島が住民を監視・盗撮 侮蔑的な“あだ名”つけて中傷・要望や苦情を「金目当て」と

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東京外環道 鹿島が住民を監視・盗撮 侮蔑的な“あだ名”つけて中傷・要望や苦情を「金目当て」と

【日曜版しんぶん赤旗2024年3月10日】
東京外かく環状道路(外環道)事業のトンネル工事で、大手ゼネコン鹿島建設を幹事社とする共同企業体(JV)関係者が、地域住民を監視し、隠し撮りをおこなっでいたことが編集部の取材で判明しました。中傷する″あだ名″をつけ侮蔑。プライベートな場所である住民の自宅なども監視していました。住民監視の情報は発注者である東日本高速道路(NEXCO東日本)にも伝えられていました。弁護士は、「度をこえたプライバシー侵害の不法行為だ」と指摘しています。
藤川良太記者
住民の監視・隠し撮りがおこなわれていたのは、東日本高速道路が発注した外環道「本線トンネル(南行)東名北工事」の沿線地域。同工事は大深度地下法にもとづく認可を受け、住宅地の地下40m以深を地権者の承諾なしに掘り進めています。
同工事を施工していた鹿島JVは2020年10月、東京・調布市の住宅街で陥没事故を起こし、住民から工事への不安や疑問の声が上がっていました。鹿島JVは現場周辺で23年8月から、陥没事故への対応として、緩んだ地盤を補修する工事をおこなっています。
住民らの監視・隠し撮りは、インターネットを利用した「グループチャット」を使い、複数の工事関係者がリアルタイムに情報共有していました。
地盤補修工事の開始に向け、設備の試験を行った23年7月14日、反対住民らが工事現場の公園に集まりました。
鹿島JV関係者は「ぶんぶん公園に反対派の影あり」と投稿。すると、確認を求められた別の関係者が、住民らを盗撮した写真をチャットにアップしました。この投稿を受け、複数の鹿島JV関係者は、各自の持ち場からいっせいに住民らを監視。動向を逐一、共有しました。
「反対派、緑地に向かったようです」「反対派御一行は京王BOX北側で籠谷氏、講演中」「入間橋に籠谷さん御一行来てます」「ㇷ゚ラントヤードにも籠谷御一行来ました」…。
「籠谷氏」とは、外環道工事ルート沿線住民でつくる市民団体「外環ネット」のメンバーの籠谷清さんのこと。この日以外でも、住民説明会後に路上で話しているだけで「K谷さん、反省会中!?」(同6月17日)と隠し撮りの写真も添付して投稿。工事現場に近付くと「籠谷来てます。◆◆さん(※鹿島JV職員)、お気をつけください」(同8月9日)とヂャットで共有していました。
編集部の取材に龍谷さんは怒ります。「スパイ活動みたいなことを住民にするのは許せない。陥没事故の被害住民への謝罪の気持ちなどはないのでしょうか」
監視は龍谷さん以外の住民にもおこなわれました。(以下、●●は住民の実名)
公共の場である道路にいる住民も「●●親子、●●だけ。しつこくいます」「丸山とフリージャーナリストが●●と話をしたみたいですが、居なくなりました。」などと呼び捨てにして共有していました。
マスコミも標的
地盤補修工事を開始した同8月2日以降は、住民だけでなく、工事の取材にきたマスコミの監視までおこないました。
「マスコミ車、三井のリパークに駐車」「マスコミの名前確認できたらお願いします」と投稿していました。
掲示が義務付けられている工事現場の掲示板を撮影する人までも、乗ってきた自動車の色、メーカーや車種、ナンバーなどの個人情報を書き込んでいました。
鹿島JV内で監視のとりまとめをしているとみられる人物は、把握したマスコミの社名や住民の名前を列挙して共有。投稿には(◆◆工事長に報告済み)との記載がありました。関係者によれば、工事長とは発注者である東日本高速の職員のこと。住民監視情報は同社にも伝えられていたことになります。
違う日にも、別のとりまとめ役とみられる人物が「住民、マスコミなど見かけたらご速絡おねがいします(特に地盤補修エリア)」(同8月7日)と、鹿島JV関係者ごとに監視エリアを決め、報告を要求。「私の方からまとめてNに報告します」(同)と投稿しています。NはNEXCO(ネクスコ)をさすとみられます。鹿島JVが組織的に住民監視・隠し撮りをし、その情報を日常的に発注者に報告していた疑いが濃厚です。
工事現場周辺では鹿島JV関係者が、道路などの異常を早期に発見できるように24時間、巡回しています。名前を把握され、監視対象となっていた丸山重威(しげたけ)さん。「業者が監視していたのは道路の異常だけでなく、住民だったことは本当に気持ち悪い。そんな業者にこの地域で工事する資格はない」と怒ります。
鹿島JV関係者による監視は、工事反対の動向だけでなく、住民の極めてプライベートな日常生活にまで及んでいま
した。「●●さん、西野橋を南下、散歩か?苦情声かけなし」(同9月6日)。住民の外出までもチャットには書き込まれていたのです。
監視は、住民の自宅内までもおこなわれていました。「●●奥様窓から河川を覗(のぞ)いてます」(同7月5日)。別の住民宅も「●●奥様2Fベランダからお覗き中」(同7月14日)「●●さん二階から覗いてます」(同9月6日)。
住民の自宅内は極めてプライベートな場所。鹿島JVは、そんな場所での動きまで共有していたのです。
鹿島JV関係者は、住民の個人情報もさかんにやりとりしていました。なかには、要望や苦情が金銭目当てだと決めつけて住民を中傷・侮蔑し、税務署への通報をにおわせる記述までありました。
「板金の仕事よりもクレームで稼ごうとしてます」(同6月20日)「とりあえず税務署に家屋補修のお金を受領している旨、タレコミます」(同7月5日)「N東殿への金銭要求が認められるまでは、このような重箱の隅を、再三つついてくると思われます」(同8月1日)
鹿島JV関係者は住民を呼び捨てにするだけでなく、侮蔑的な″あだ名″までつけていました。
横断歩道を赤信号の時に渡るなと住民に注意されたとの情報を鹿島JV関係者が投稿した際にも…。鹿島JVの現地事務所幹部が「髪の毛が薄くてオールバック、身長160cm未満の方=●●老人です」と共有。別の関係者が「例の『赤信号`おじさん』ですね」(同6月6日)とチャットに投稿しました。
住民からの騒音の苦情を受けて施した防音対策に関して、要求した住民の名前と自分たちのシールドマシン(掘削機)の名前を重ねて「対みどりんぐスペシャル」(同6月16日)と命名する書き込みまでありました。
工事の騒音などで高齢の親族が体調不良になったとして作業中止を求める住民。その苦情対策のために、防音工事の徹底を確認する際には、こんな投稿がありました。「あとは明日のお婆(ばあ)さまの体調次第です。具合悪くならないことをただ祈るの
みです。合掌」。高齢者に死を連想させる「合掌」という言葉を使うなど住民への侮蔑そのものです。
理解得ずに強行
なぜ、鹿島JVは異常な住民監視を続けているのか。外環道工事は、地表面に影響がないことを前提に40m以深の地下を使用する大深度地下法で認可を受けて行われています。事業者の国土交通省、東日本高速、中日本高速道路や工事受注企業は、所有者の承諾もなく住宅の地下を勝手に掘削していました。
ところが工事が原因で陥没が発生。その後の調査で、複数の場所の地下に巨大な空洞が生じていることも判明しました。家を支えるはずの地盤が緩み、無数の住宅で傾きや亀裂などの被害が確認されました。工事の騒音や低周波などの影響で体調不良を訴える住民も相次ぎました。
事業者らは、工事ルート直上付近のサイクリング道路に空いた複数の穴を道路管理者である狛江市に伝えず勝手に埋め戻していたことも編集部の取材で判明。事故現場付近の私有地でさらに大きな陥没が生じたことも隠ぺいしていました。
外環道工事により陥没など住民被害が出ているにもかかわらず東日本高速や鹿島JVは住民の理解を得ないまま工事を強行しているため、プライバシー侵害の不法行為にあたる疑いがある、監視・隠し撮りをしているのです。
外環道工事では他の地域でも住民による反対の動きが起きています。それらの地域でも住民監視が行われている可能性があります。大深度地下法で外環道道工事を認めた国土交通省の責任が問われる重大事態です。
編集部の取材に鹿島建設はチャットの使用を認めながら、JV内の情報交換が前提だとし、「内容の回答は控える」。東日本高速と国交省は「把握していないためお答えできない」としています。